Misekai BLOG

エミックとエティック

昨日に続いて、授業で衝撃を受けた話です。

前回の内容が文化人類学では「エミックとエティック」という考え方で説明できるのではないかと話したところで区切りでした。

 

今回はその続きです。

 

文化人類学において、エミックとは内側に立つことであり、当事者の視点で考えたり分析することです。一方でエティックとは外側に立つことであり、第三者の視点で分析することです。

これは研究者の立場について言っているように思えますが、一人の人間でも両方の立場を経験することはあり得るなと思います。

 

例えば「いただきますとご馳走様」であれば、普段何も考えずなんとなく習慣でやっている時の私はいわゆる「エミック」です。当事者であり、内側にいます。

でも第三者に最もらしい形で説明せよ、という命題が飛び出してきた時に、行為に自覚的になり、理由を見つけようとします。そのときにはもはや私はいつもの流れで手を合わせていた時の自分とは違い、「いただきますとご馳走様」を客観的に捉え始めます。
いわば外部からこの行為を観察し、第三者も納得できる社会的文脈を探し当てるのです。これがいわゆるエティックです。

 

このように、自らの行為に自覚的になり、意味を探し出す行為というのは確かにあり得るなと思いました。だからこそ、「習慣なんじゃないの」という本質を捉える言葉に衝撃を受けました。

 

毎回授業を担当させてもらうたびに、新たな学びと気づきに溢れています。
ご参加いただいている皆様には感謝の気持ちでいっぱいです😊