Misekai BLOG

かつての経験が活きる時

かつて高校球児の端くれだった私の日課はこんなものでした。

 

朝は5時半起床、6時半には自転車を漕いで学校へ。7時から朝練でバッティング練習を1時間ほど。その後授業が終わると16時ごろから20時ごろまで全体練習。加えて個人練習が21時ごろまであり、帰宅は22時近くになることも。その後ご飯、お風呂などを済ませ、横になったと思えば目覚ましが鳴り、朝練に遅れまいと自転車に跨る。

 

毎日授業はふらふらになりながら受けていたのを思い出します笑 でも、そんな経験もいつか活きるものです。

 

昨年行ったインドの調査では、そんな3年間を耐え抜いた経験に初めて意味を見出すことができました。

 

インドのミゾラム州に行ったのですが、州都アイゾウルまでは国内線で入れたものの、そこからフィールドまでは陸路の旅。
最初は7、8時間と見積もっていましたが、出発する時に「多分12時間くらいかかりそう。」とカウンターパートから一言。その時点で朝7時半のため、日没までにつけないことを覚悟しました笑

 

旅は当初快適に始まり、ハイウェイを走っていました。山道なのでクネクネとしているものの、ある程度スピードも出せる道。1時間半ほど走ったところで昼食を取りました。本番はそこからでした。徐々に舗装が剥がれかけた道が増えていき、いつの間にか舗装がなくなっていきます。やがて車がバウンドするような時間の方が多くなっていき、時には家畜の牛の行列に包囲されることもありました。

ただ景色は皮肉なほどに綺麗で、休憩で路肩に止まると一面の山。聞いたことのない虫の音が響いていました。

 

そして再び車に乗り込みます。

 

正直かなり体力を消耗していることを自覚しながら、ひたすら耐える時間でした。この時初めて、「ああ高校野球のあの練習に耐えておいてよかった。あの時はこの疲労感が3年間続いていたのだから。」と経験に感謝することになりました笑

 

その日はふらふらで、到着までも結局12時間以上かかりましたが、そのまま村長とミーティング。でもまたこれも不思議なもので、ミーティングが始まってみればいつの間にか体が軽くなっていて、次から次に聞きたいことが出てきました。それは翌日以降の調査中も同じでした。最後の日まで、体の中で何か変な物質が出ているのかと思うくらい元気に過ごした時間でした笑

 

たいていの経験には視点次第で意味を見出せる。その時に必要なのは、始点と終点の変化をしっかりと認識することかなと思います。

 

日常の過ぎゆく事柄を認識すること、これがあって初めて成長や変化を感じられるのかもしれません。